便秘は多くの人が経験する一般的な症状ですが、便秘が長期間続く場合、それは大腸がんの一つの警告信号である可能性があります。ここでは、便秘症について解説します。便は、口から摂取した食事が胃を経過した後に、小腸・大腸で栄養や水分を消化吸収しながら形成されます。便秘は、便が腸の中を進んで行く中で、多くの水分が吸収されて、カピカピに乾燥してしまうことと関係しています。その水分の大半は、大腸を通過する際に吸収されて、食べ物の残りかすが適度な硬さの塊になります。大腸内での水分吸収量が少し増えるだけでも便が硬くなり、便秘になりやすくなります。このように便の調節がうまく行かなくなる原因としては食生活の乱れ、運動不足、水分不足、ストレスなど、さまざまな原因があります。特日常生活でのストレス管理は、消化器系の健康を守る上で不可欠です。なので、便秘になりやすい方というのは、お年を召してこられたり、お仕事がお忙しくて、あまり運動をせず、寒くなってきたりしたので外出せずに、水分の摂取をせずにお家にいる方などは、便秘を悪くします。便秘症の改善には、食物繊維を多く含む食事、十分な水分摂取、定期的な運動が効果的です。また、食物繊維の中にも不溶性と水溶性の食物繊維がありますが、不溶性の食物繊維は逆に摂取することで便秘の増悪を引き起こす可能性があり、注意が必要です。水溶性食物繊維昆布、ワカメ、大麦、人参、大根、らっきょう、オクラ、山芋、リンゴ、いちご、ミカンなど不溶性食物繊維玄米、ごぼう、レンコン、大豆、タケノコ、キャベツ、キノコ類など便秘をそのままにしておくことで、痔核ができてしまったり、便が硬くなることで排便時に肛門を傷付けやすくなります。肛門の痛みや出血のおそれのために便意をがまんしていると、状態はますます悪化してしまいます。またその他にも結果として腸内フローラの破綻を招き、腸のバリア機能の低下から認知症につながることもあります。便秘が持続する場合、大腸がんの初期症状の一つである可能性があります。大腸がんは早期発見が非常に重要であり、便秘を含む変化を見逃さないことが肝心です。大腸がんを疑う他の症状としては、継続的な腹痛、急激な体重減少、便に血液が混じることが挙げられます。大腸がんを疑う症状がある場合には、大腸内視鏡検査で大腸の中を直接観察することが有用になります。大腸がんの早期発見に非常に有用な検査で、ポリープや炎症等を検出することができます。特に、ポリープが見つかった場合、大きさによっては、当院では日帰りで切除が可能です。大腸ポリープを切除することで、大腸がんのリスクを大幅に低減することができます。便秘が2週間以上続く場合や、食生活の改善によっても症状が改善しない場合は、専門医の診察をお勧めします。また、体重減少や便に血が混じるなど、他の症状が伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください。当クリニックでは、便秘症の患者様に対して、個別の生活習慣改善プランの提案から大腸内視鏡検査による詳細な診断まで、幅広いサポートを提供しています。慢性的な便秘に悩まされている方は、ぜひ当クリニックまでご相談ください。