糖尿病はなんとなく怖い、という方が多いのはないでしょうか。何が怖いのかわからない方も多いかと思うので、ここでは皆さんの不安が少しでも解決できるように解説します。糖尿病とは、簡単にいうと「血糖値を下げることがうまくできていない病気」です。膵臓ではインスリンという血糖値を下げるホルモンを作っていますが、このホルモンの「作る量が減っている」か「効きが悪くなっている」のが原因です。糖尿病には1型と2型があり、ほとんどの方は2型になります。2型糖尿病は、食事や運動のバランスによって発症することが多い病気です。40歳以上での発病が多く、遺伝的な要因が多いとされていて、血縁で糖尿病の方が多い方は注意が必要です。1型は、原因不明にインスリンを作ることができなくなってしまった病気で、若い方に多い病気ですが、糖尿病の中では頻度はとても少ないです。糖尿病と、判断するためには、血糖値とHbA1cという項目をcheckすることが必要です。血液中の血糖の濃度は、直近の食事や運動によって短期的に上昇・下降します。そのため、血糖値は測るタイミングによって大きな差が出ることになり、空腹時血糖値、随時血糖値など、どのタイミングの血糖値なのかを区別する必要があります。一方、HbA1c値は直近の食事や運動の影響を受けずに、過去1、2か月間の平均的な血糖の状態を反映する値として診断に利用されています。6.0 – 6.4%糖尿病の可能性が否定できない6.5%以上糖尿病の可能性がかなり高い日本糖尿病学会:糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告(国際標準化対応版).糖尿病 55(7): 485-504, 2012糖尿病になったといって、いきなり最初は症状があるわけではありません。むしろ全く無症状のことがほとんどです。ですが、HbA1cが高い状態が継続すると目の病気 (糖尿病性網膜症)腎臓の病気 (糖尿病性腎症)神経の病気 (糖尿病性神経障害)になってくることがわかっています。このようにならないために、HbA1cをコントロールすることが必要です。よく糖尿病になると、すぐにインスリンを注射をするのでは、と思われる方もおりますが、まずは食事・運動療法からになります。HbA1cの数値によっては、内服薬でコントロールをしていきます。残念ながら糖尿病は現在では治すことはできず、付き合って治療をしていく病気になっています。心配なことがあればぜひ一度ご相談にいらしてください。