松戸常盤平おなかと胃・大腸カメラと内科のクリニック|消化器内科 内科

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痛風(高尿酸血症)

痛風について

みなさんは、「痛風」という病気を聞いたことがありますでしょうか。その名前の由来は、風が吹いても痛い、ということで「痛風」と呼ばれています。単に、暴飲暴食をしたり、ビールの飲み過ぎでなるといった印象もあるかもしれませんが、本当は危険な病気が潜んでいる怖い病気でもあるのです。
痛風(高尿酸血症)
痛風の原因

痛風は尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎を伴う症状になる病気です。痛風の背後には、「高尿酸血症」という病気が潜んでいます。高尿酸血症とは、体内でつくられる尿酸が増えすぎている状態です。

尿酸は体の新陳代謝により発生する老廃物です。通常、体内の尿酸は産生と排出のバランスを保ちながら、一定の量に保たれるようになっていますが、尿酸が過剰につくられたり、排出がうまくいかなくなったりすると、体内の尿酸は一定量を超えてしまいます。こうして血液中の尿酸の濃度が7.0mg/dlを超えた状態が高尿酸血症です。

高尿酸血症は、それだけでは自覚症状はありませんが、尿酸濃度が高い状態が続くと、血液に溶け切れなかった尿酸は結晶化して、関節や組織にたまっていきます。関節にたまった尿酸結晶に対して免疫細胞が反応し、炎症を起こして痛風の発作につながります。

痛風の原因

痛風の原因となる高尿酸血症は、生活習慣、とくに食生活が大きく関わっています。尿酸は「プリン体」が分解されてつくられます。プリン体とは、細胞の新陳代謝やエネルギー代謝によってつくられる物質ですが、食品からもプリン体をとっています。プリン体は高カロリー食、レバーやエビなどの動物性食品、アルコール飲料などに多く含まれているので、これらの食品のとりすぎはプリン体のとりすぎにつながるとともに、アルコールは体内でのプリン体の合成を促し、尿酸の排出を抑制することがわかっています。

さらに、高カロリー食や多量の飲酒が招く肥満も、痛風の大きな危険因子となります。肥満は尿酸の排出を悪くするため、体内の尿酸量が増えやすくなります。

痛風の症状と診断

暴飲暴食した翌朝、急に足の親指のつけ根が赤く腫れて痛くなることが、痛風の典型的な症状とされています。です。風が吹いても痛いということで、「痛風」と呼ばれています。足の親指のつけ根以外に、足関節、足の甲、アキレス腱のつけ根、膝関節、手関節にも激痛発作が起こることがあります。耳介に痛風結節や尿路結石が出来ることもあります。

生活習慣病(肥満や高血圧など)を合併することも少なくありません。痛風発作を何度か経験している人は、発作の前兆(違和感)を感じることがあります。痛風の発作は恐ろしいものですが、痛風の恐いところはそれだけではありません。尿酸値が高い状態を放置していると、さまざまな合併症を引き起こします。
痛風(高尿酸血症)
食事と痛風の関連性と予防策

痛風を予防・改善するためには、食べすぎに注意して肥満を改善すること、プリン体を多く含む高カロリー食やアルコールを控えることなどが必要です。さらに尿酸の排出を促し、痛風の発作を起こさないために、水分を十分にとることも必要です。水分は甘いジュースやアルコール飲料ではなく、水やお茶でとるようにしましょう。

また、ストレスを上手に解消し、適度な運動を行うことも大切です。しかし、すでに痛風や高尿酸血症を発症している場合は、激しい運動には注意が必要です。激しい運動で大量の汗をかいたときは、体内の尿酸値が一時的に上昇します。このときに水分を十分に補給しないと、血液中の尿酸濃度が上昇から、痛風の発作につながります。

痛風の治療

痛風発作が起きるまでの、高尿酸血症の状態であれば、まずは生活習慣を改善しつつ尿酸降下薬を少量から使い始め,徐々に尿酸値を下げていきます。生活習慣の改善は治療の基本ですので,薬物治療で尿酸値が下がったからといって怠ってはいけません。

痛風発作が起こってしまったら、まずは痛風発作治療薬で患部の痛みや腫れを取り除く治療を行います。発作が治まったら痛風の原因である高尿酸血症に対する治療を始めます。

高尿酸血症を治療しなかった場合にはどうなるのか。

痛風の発作は恐ろしいものですが、痛風の恐いところはそれだけではありません。尿酸値が高い状態を放置していると、さまざまな合併症を引き起こします。生活習慣病のベースには、メタボリックシンドロームといわれる内臓脂肪型肥満の代謝異常がありますが、高尿酸血症も全身の代謝異常のひとつの現れともいえます。

高尿酸血症は糖尿病や脂質異常症、高血圧を合併しやすいことでも知られています。これらの生活習慣病は動脈硬化の最大の危険因子でもあり、複数をあわせもつことによって狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患を引き起こすことがあります。高尿酸血症はこれらの疾患と密接に関係し、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などを起こすリスクを高めていると言われています。

また、腎臓の中に沈着すると、痛風腎を引き起こし腎臓の機能を低下さてしまいます。腎不全にまで悪化すれば、最悪の場合、透析を受けなければなくなってしまいます。

痛風発作が心配な方、尿酸値が高い方はぜひ一度ご相談ください。
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